歴史を知る
1959年、高度経済成長期の真っ只中、愛知県豊明市に小さな廃品回収業者「星河商店」が誕生しました。これが、現在のアルメック株式会社の始まりです。 創業者である星河仙吉氏の「資源を無駄にしてはいけない」という強い信念のもと、アルメックは60年以上にわたり、資源リサイクルを通じて循環型社会の実現と環境保全に貢献してきました。 本ページでは、アルメックの歩みを、創業から現在に至るまでの物語として紹介します。
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廃品回収から始まる挑戦
高度経済成長期、あらゆるものが作られ、そして消費されていく時代。創業者・星河仙吉氏は、廃棄される多くの資源にビジネスとしての可能性を感じました。「資源を無駄にしてはいけない。未来のために、今できることをしたい。」その思いから、1959年、愛知県豊明市に廃品回収業者「星河商店」を創業しました。 当時はまだ「資源リサイクル」という言葉も一般的ではなく、家族4人でのスタートでした。仙吉氏は持ち前のバイタリティと先見性で事業を拡大。当初は木や布も扱っていたのを金属スクラップの回収・加工に特化し、着実に業績を伸ばしていきました。
そして1968年、長男の星河勲男氏が2代目社長に就任。 会社組織を立ち上げ、「星河商店」は新たなステージへと進みます。
豊明第一工場
初代社長 星河仙吉
2代目社長 星河勲男
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問屋になりたい
1963年当時、アルメックはまだ「寄せ屋」と呼ばれる小さな事業者でしたが、当時最も大切なお客様に他社から営業を掛けられる、という苦い思いをしました。小規模な寄せ屋の力は大きな「問屋」には到底及ぶわけもなく、仕入れ値を釣り上げられ、重量のある厚い荷物は持っていかれる・・まさに「踏んだり蹴ったり」という状況でした。「早く問屋になれますように」これが当時の原動力でした。
「問屋になりたい」という強い思いのもと、家族は休む間もなく1年365日働きました。その頃創業者が教えてくれたことは「仕事は楽しんでやれ、そうすれば早くやり方を身につけることができるし、お客さんに喜んでもらえる」。ということです。1日も休まず、常に現場で道具と向き合っていた創業者。ただの一度も「儲からない、つらい、休みたい」等の愚痴を聞いたことがありませんでした。
お客様にも恵まれ、事業も軌道に乗ってきたことから、1968年、現在の豊明第一工場の建物を新築しました。1971年には現在の本社・豊明第二工場の土地を取得できました。問屋になるためにはなんとしても土地が必要でしたので、その第1歩を踏み出したと言えます。
高品質な製品を安定的に納入できる体制を構築し、1978年にはメーカー直納を実現、念願の問屋になることができました。「この目標を達成した充実感と嬉しさ、感動は生涯忘れることができません。」と星河年男相談役は言います。
その後1983年には社名を「星河金属有限会社」に変更、会社は着実な成長を続けていきます。
「星河商店」から「星河金属」へ
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新天地への進出
順調に企業規模が大きくなる一方、第3工場まで拡張した豊明工場がついに処理量の限界を迎えます。当時の扱い量はピーク時で月間4,000トン、現在の豊明工場扱い量の実に2倍に迫る驚異的な数字です。会社がもっと成長するため、そして働く皆さんが安全で快適に仕事ができる環境を作るにはまとまった広い敷地が必要でした。経営陣は来る日も来る日も車を走らせ、豊明工場からそう遠くない、まとまった敷地を探し続け、3年をかけてようやく新たな土地を見つけました。更に地権者との長い交渉の末、1988年に土地の取得に至ります。こうして完成したのが現在の大府工場です。
大府工場開設で面積はこれまでの5倍となり、荷降ろし・加工・出荷といった作業の流れが大変良くなりました。土地を見つけてから1995年に工場が開設されるまで、実に11年の歳月を要しました。大府工場の開設は「困難と思われることも計画を基に努力し、信念を持ち全社で力を合わせれば成し遂げられるのだ」という教訓をもたらしました。
1991年には増資を行い「星河金属株式会社」に改組。組織体制も強化されました。
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将来ずっと付き合いたい
会社
1999年、創業者の次男である星河年男氏が3代目社長に就任。星河金属は新たなリーダーのもと、更なる飛躍を遂げようとしていました。新社長は「1人ひとりが確実に、1段ずつでも成長できる会社」「将来ずっと付き合いたい会社」にしていこう!という目標を立てました。早速、これまでの社内制度や仕組みの見直し、外部講師を招いた研修などに取り掛かりました。
経理システムも刷新。データが毎日リアルタイムで把握できるようになり、財務の透明性が格段に向上しました。
2003年には環境マネジメントの国際規格であるISO14001の認証を業界内でいち早く取得。企業としての責任を明確にしました。ハード面でも環境に配慮した最新鋭のギロチンシャーを導入したり、防音壁を設置したりするなど、「環境に優しく働きやすい職場」の整備を着々と進めていきました。
3代目社長 星河年男
ISO14001
新財務システム
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働く環境の整備
2005年、大府工場に新社屋が完成。より快適な職場環境が実現し、社員のモチベーション向上に繋がりました。これまでの「量的拡大」から「質的向上」へ、取り組みの軸足が変化していく一つの転換点でした。「環境保全」「リサイクル」という言葉が市民権を得つつあり、資源リサイクル業界に対するイメージが大きく変わり始め、当社も新社屋で会社のイメージアップに繋げたいという想いがありました。
2006年には新しいロゴマークを制定。会社の新たなアイデンティティを確立し、ブランド力向上を目指しました。他にも初代の経営理念を作ったり、部署ごとのミッション(役割)をまとめた「ミッションブックレット」を作って社員教育に活用したりと、職場環境と働く人双方の質的向上を目指し、毎年のように新しい取り組みを採り入れていきました。
大府新社屋 完成
新ロゴマーク
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人材育成と人間力向上
2008年、星河金属株式会社はアルメック株式会社へと社名を変更。これまでの歴史と実績を礎にしつつ、あえて従来と全く異なる社名に変え、新たな決意を表明しました。
この年から、社員一人ひとりの人間力向上を目的に「社内木鶏クラブ」を導入。読書や社員同士のディスカッションを通じて社員全員の成長を促進しました。同時期に改善提案制度・委員会活動など、現在も続く会社の根幹をなす様々な取り組みを矢継ぎ早に導入しました。
新社名ロゴ
2009年の創業50周年を前に、経営陣には「このままではいけない」という危機感と、「会社をもっと良くしよう」という意欲が溢れていました。極め付きが「未来への投資」として業界内でもかなり早く取り組み始めた「新卒採用活動」。若々しいエネルギーと斬新なアイデアで会社に新たな風を吹き込んでくれることを期待しました。
創業50周年記念式典
新社名ロゴ
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新しい経営体制と
取り組みの加速
2010年以降、アルメックは新卒採用の継続や読書会による人材育成などを通じ業務品質が飛躍的にレベルアップ。時代の流れに合わせて取り組み速度を徐々に加速させていきました。
2011年には星河秀樹専務が社長に就任、星河年男前社長は会長に就任しました。役員の若返りを図り、アルメックはますます新しい取り組みへ積極的に挑戦していくことになります。
2013年、大府工場に「660馬力竪型シュレッダー」を導入。他社ではまだ少なかった「破砕機」の導入、会社として初めて愛知県の補助金に採択されるなど、新たな取り組みに果敢に挑戦し、成果を掴み取りました。
4代目社長 星河秀樹
社長交代
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「経営品質」の学びによる
社内活性化
2015年8月より「経営品質」の学びを開始。「社員重視」「顧客本位」「社会との調和」「独自能力」を4本柱とするこの考え方は特に若手社員の共感を呼び、やる気に火を点けました。その成果として2016年に経営理念を刷新。アルメックがこれまで大切にしてきた言葉や考え方を「Our Philosophy」という小冊子にまとめました。
2018年、破砕機から発生する「ミックスメタル」を再資源化する「非鉄ピックアップライン」開発により愛知環境賞優秀賞を受賞。様々な挑戦の成果が目に見える形で表れてきました。
2019年、アルメックは創業60周年を迎えました。この記念すべき年に、イメージキャラクター「アルメッくん」が誕生。たちまち地域の人々に愛される存在となり、アルメックの知名度向上に大きく貢献しました。また同年末、会社の歴史を伝える「アルメックミュージアム」を開設。創業からの歩みを振り返り、未来への展望を共有する場として発信の幅が大きく広がりました。
2020年は世界中が新型コロナウイルス感染症の脅威にさらされましたが、アルメックは業務を止めることなく、大府工場に多様な破砕・選別装置を導入。「技術力のある会社こそ発展していける」と、積極的に技術開発を進め、お客様のニーズにお応えする体制を強化しました。
アルメックミュージアム
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ブランディング強化に
向けて
2021年6月に愛知県産業資源循環協会様から長年の企業活動に対して表彰状を頂くなど、アルメックの取り組みは業界の中でも評価を受けるようになってきました。
2022年に愛知県環境局様の会社見学会受け入れ、知多半島道路大府PAで開催された『すご~い工場博』への出展など、 コロナ禍の影響がまだ残る中、アルメックは対外的な発信を積極的に続けました。いかにデジタル技術が進化しても「自ら発信」し、「リアルなコミュニケーションを大切にする」ことがアルメックの想いをお伝えするために不可欠だという認識を新たにしたためです。社内コミュニケーションではAS向上委員会の企画で家族も参加できる健康経営イベントを開催するなど、「Our Philosophy」に沿って多様な取り組みをますます進めていきました。
愛知県環境局様見学会
すご~い工場博
寺前倉庫オープン、
新たな飛躍へ
2023年はアルメックにとって非常に重要な1年となりました。なぜなら、豊明市内に新たな拠点「寺前倉庫」がオープンしたからです。精緻な選別と在庫管理に特化した「倉庫業」へのチャレンジであり、これまでと異なる形でお客様への貢献ができるようになりました。
2022年10月末に地鎮祭を行い、以降は建設会社と役員・部署長の打合せを毎週行って進捗や仕様を確認。2023年11月に竣工式、12月にはお客様をお招きして「オープニングセレモニー」を挙行、新拠点完成の喜びを多くの方と分かち合いました。寺前倉庫の完成は「広い敷地でのびのびと仕事がしたい」という、歴代社長の夢がかなった瞬間でもありました。
オープニングセレモニー
創業65周年、
組織体系の変更
2024年、アルメックは創業65周年を迎えました。記念事業として55周年に続く「第2回大家族会」を開催。社員とその家族で会社の節目を盛大に祝いました。
11月には「マトリックス組織」と呼ぶ新しい組織体系を導入。拠点部門×機能部門の駆け合わせによって従来以上にコミュニケーションを深め、課題に迅速に対応していく体制を整えました。決算期の変更も行い、節目の年に大きな改革を成し遂げました。
全進! シン・アルメック
創業65周年を迎えても、アルメックの挑戦が止まることはありません。事業環境がこれまで以上に大きく、そして急速に変化している中、例えば製鋼メーカー様に対して「経験が無い」と言われるほど積極的にご提案を行っています。入荷先のお客様に対しても分別徹底のお願いをくり返し行うことで付加価値向上を目指しています。高品質な金属原料を供給するだけでなく、アルメックとお客様双方が永続的に発展していけるよう「考動」するのが私たちの役割です。
「常に挑戦し続けること」が会社のDNAであり、3つの「シン化(進化・深化・新化)」を遂げてきたアルメック。これからも「資源に無限の夢を」という経営理念のもと、資源循環のリーディングカンパニーとして新たな取り組みにドンドン挑戦し、社会の発展に貢献していきます。